東京は賃貸物件が豊富にあるので、物件は比較的探しやすい地域といえます。しかし選択肢が多すぎると、かえってどの物件を選べば良いのか分からず、なかなか決断できない方もいるでしょう。
したがって、東京で賃貸物件を探すときは、選び方のコツを知っておくことが重要となります。
最近では家具付き賃貸の数も多くなっており、通常より家賃は割高になるものの、短期間で引っ越し予定の方などにはおすすめの物件です。
そこで本記事では東京で賃貸物件を借りるときのポイント、家具付きの賃貸物件を借りるときの注意点などについて解説します。
~目次~
1.東京で賃貸物件を探す手順
2.不動産会社で賃貸物件を探すときのポイント
3.家具付き賃貸の特徴
4.内見するときのポイントや注意点
1.東京で賃貸物件を探す手順
賃貸物件を探すときは、まず予算(家賃・生活費)、住みたいエリア、間取り、駅からの距離などの希望条件を決めなければなりません。
条件が決まった後、インターネット上の不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME’Sなど)を利用して、希望に近い物件がないか確認してみましょう。
なお、東京の場合はエリアのほか、沿線・駅を基準にして検索ができるため、利便性や通勤・通学との兼ね合いを重視する方は、沿線・駅からの検索がおすすめです。
条件を入力すればサイト上で公開している物件が確認できるので、この段階で希望条件の物件が存在するかどうか、ある程度の目星がつくようになります。
サイトに掲載されている物件を見て大体のイメージがついた後、不動産会社に問い合わせ、候補物件が見つかったら内見へ進むのが基本的な手順です。
2.不動産会社で賃貸物件を探すときのポイント
賃貸物件を借りるには不動産会社を訪問する必要があります。
東京には多数の不動産会社がありますが、会社によって特徴が異なるため、物件を探すときのポイントを事前に理解しておくことが大切です。
以下に重視すべきポイントを3つ紹介します。
不動産会社の種類
賃貸物件を扱う不動産会社は、大手チェーンと地域密着型の2種類に大別されます。
大手チェーンとは全国展開している不動産会社、地域密着型とはその地域のみで展開している不動産会社のことです。
大手チェーンの不動産会社は、取り扱っている物件数が多く、エリアをまたいで探すこともできるため、希望条件に近い物件を見つけやすく、会社の規模が大きい関係上、安心感があります。
一方、地域密着型の不動産会社は、物件数は多くありませんが地域の情報に詳しく、地元の大家さんと関係が厚いため、さまざまな面で融通が効いたり、インターネット上では公開されていない掘り出し物の物件が見つかったりすることがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、両方の会社を訪ねて比較検討するか、自分が優先したい点は何かを考えたうえで、どちらかを選ぶようにしましょう。
不動産会社に確認すべき点
賃貸物件を借りる場合、不動産の所有者との間で賃貸借契約を締結する必要があります。
契約内容は仲介をする不動産会社から事前に説明されますが、希望条件と乖離がないか、しっかりと確認しなければなりません。
特に以下の項目は必ず確認するようにしましょう。
1.契約期間と更新の条件
2.賃料、共益費、敷金などの定め
3.原状回復の条件
4.契約の解除
5.禁止事項
6.連帯保証人の有無
なお、賃貸物件の契約で連帯保証人を必須とするケースは、最近では減少傾向にあり、家賃保証会社の利用を条件とするケースが増えています。
保証人を立てることが困難な高齢者や外国人の方が増えたことが背景にありますが、家賃保証会社を利用する場合、入居者が保証料を支払わなければならないため、どの程度の費用になるのかもチェックしておく必要があります。
3.家具付き賃貸の特徴
近年、生活に必要となる家具や家電が備えられた「家具付き賃貸」が注目されています。特に1年から4年くらいで退去する可能性の高い学生さんや外国人には人気です。
家具付き賃貸は新たに家具や家電を用意するための費用を抑えられ、手軽に引越しができるメリットがある一方、広さや立地条件が同じタイプの物件と比較した場合、敷金や家賃が2~3割程度高くなるデメリットがあります。
自分で好きな家具や家電を自由にそろえたい方や、長期間住む予定のある方、すでに所有しているものを配置したい方などには不向きですが、短期間での住み替える予定のある方や、引っ越し費用を抑えたい方、すぐに新生活を始めたい方などにはおすすめの賃貸物件といえます。
しかし、家具付き賃貸の数はまだ決して多くはなく、物件によってさまざまな制約があったり、マンスリーとして同時募集しているケースがあったりするので、インターネット上の情報だけで判断せず、不動産会社に問い合わせ詳細内容を確認するようにしましょう。
4.内見するときのポイントや注意点
内見とは賃貸物件を探すときに室内の見学をすることで、内覧と呼ぶケースもあります。
実際の部屋の雰囲気が把握でき、物件写真や間取り図などでは確認できない部分をチェックすることも可能なので、気になった物件には足を運ぶようにしましょう。
内見でチェックすべきポイントは以下の通りです。
日当たり
水回りの清潔さ
家具の設置スペース
収納の広さ
防音の状態(壁・天井など)
臭いの有無
湿気のたまりやすさ
ドアや窓の建付け
コンセントの位置や数
東京の場合、住宅が密集している地域が多いので、日差しが周囲の建物に遮られ、日当たりが悪くなる可能性があります。駅近の物件を選ぶ場合は、電車の走行音などの生活音がどの程度漏れてくるか、防音の状態を確認することが大切です。
また、家具付き賃貸では、家具・家電の種類や配置、汚れや傷の確認などもチェックするようにしてください。
まとめ
賃貸は購入と違い、借りている立場なので、もし実際に住んでみてイメージと大きく異なる点があれば、住み替えることも可能です。
とはいえ、一度賃貸借契約を締結した後、すぐに住み替えることはできず、引っ越し費用、仲介手数料などの出費もかさむので、できるだけ失敗しないように下調べを入念に行うようにしましょう。
また、賃貸物件を探すときは自分の希望条件と予算との比較が重要です。
特に東京は物件数が多い一方、家賃は高い地域なので、予算と希望条件がピッタリ一致する物件を見つけるのは難しく、ある程度の妥協が必要になると想定されます。
そのため、希望条件の中でもっとも優先したい点は何か、譲れる点は何かなど、優先順位をつけて探すことをおすすめします。
文:伊野文明(いの・ふみあき)
宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。元作家志望であり、落ち着いたトーンの文章に定評がある。