デザイナーズマンションなど個性的な賃貸物件が増えたとはいえ、まだまだ白い壁にカーペットやフローリングの床が一般的な日本の賃貸。制約も多く古いマンションでさえ入居者によるプチ・リフォームの自由度は低いのが現状です。
私が20年前にロンドンに住んでいたとき、色々な住宅を訪問しました。イギリスは築年数の古い建物が当たり前で、古い戸建てをシェアする友人の中には、自分で棚を付けたり壁や柱をペンキで塗ったり、またアーティストたちは壁一面に絵を描いたりもしていました。
なかには床下を掘って半畳くらいの地下室を作った人までいて、日本では画びょう1つの穴をあけるにも気にする賃貸なのに、やりたい放題なことに驚きました。
日本でもDIYを楽しむ人が増えブームにもなっています。木造アパートや古い民家まで丸ごと自分たちでリフォームする人までいたり。
大金を使わなくてもアイディアとガンバリ次第でお部屋の雰囲気をがらりと変えることは可能です。
賃貸のお部屋が大変身!
友人が賃貸の部屋を、まるでどこかヨーロッパのお宅のように素敵に変身させたので一例として紹介したいと思います。
彼女の場合は、大家さんから大掛かりなリフォームは許可されていないので、ペンキや釘を打つことはできません。
退去するときに「いつでも部屋を元の状態に戻せる」ことが重要なポイントです。
そのため、シールを張ったり壁紙を張ったり工夫しています。
クローゼットの扉には簡単に貼れて綺麗にはがせる「ウォールステッカー」を使用。 ぱっと見は本物の本棚のようで奥行き感がでています。
殺風景だったエントランスには黒い窓枠にブルーの「マスキングテープ」を張りオシャレに変身。
バラや草花の鉢植えをたくさん置いてエントランスも素敵にデコレイトしています。
何の変哲もなかった白い壁とフローリングの床の部屋が、ここまで素敵に変身するとはびっくりです!
DIY可能な賃貸が増える?
続々と新築物件が増える中、駅から遠かったり建物が古かったり、条件が悪くて入居者が集まりにくい賃貸物件は、「DIYリフォーム可能賃貸」にして貸し出せば、「DIYを楽しみたい人」と「空室で困っているオーナ」との双方の思惑がうまく合致するのではないでしょうか。
実際、古い戸建てやマンションを入居者が自由にDIYできる物件もあるようです。
リフォームをしない分、家主は家賃を安く設定。その代り入居者は自分で壁を好きな色のペンキで塗ったり、棚を付けたり、床を畳からフローリングにしたり夢が膨らみますよね。
DIY好きはもちろん、家賃を抑えたい若者や建築、アート関係など個性を表現したい人たちなら、部屋が彼らの作品&展示場にもなります。
もちろん天井や壁の構造まで壊さないなど、制約を付けることは必要になりますが。
古い賃貸を見つけたら、大家さんに「DIYができるかどうか」、ダメもとで聞いてみるのもいいかもしれません。
そこまで大掛かりなことはしないまでも、ちょっとした工夫で住まいはより快適になります。
最近の100均グッズは使える雑貨が豊富に揃っているし、アイディア次第ではお金をかけなくてもデコレイトできます。
簡単に剥がせる壁紙はもちろん、キッチンの扉にシートを貼ったり、床にフロアシートを使えば、あっという間にテラコッタや大理石風に変身。
どうしても壁にペンキを塗りたい場合は、前もって壁に「貼ってはがせるペンキ下地用粘着シート」を貼っておけば後から剥がすこともできます。
また、釘の打てない賃貸の部屋に、アジャスターをセットして柱を立てて棚が作れる「LABRICO(ラブリコ)」というパーツもかなりの優れものです。
ラブリコについてはこちらの記事をどうぞ。
■お部屋の空きスペースが収納場所に!DIYパーツブランド「LABRICO」
さまざまな賃貸用のDIYグッズがインターネットで購入できるので、模様替えをしたい人はチェレンジしてみてはいかがでしょう。
ネットで買えるお洒落なDIYショップ情報
・DIY FACTORY
https://shop.diyfactory.jp/landing/top/
・カインズ
http://www.cainz.com/shop/pages/diy.aspx
・DIYショップRESTA
https://www.diy-shop.jp/
・北欧、暮らしの道具店
https://hokuohkurashi.com/
・bonboni(ボンボニ)
http://bonboni.net/fs/bonboni/c/furniture_diy
・壁紙屋本舗
https://www.rakuten.ne.jp/gold/kabegamiyahonpo/
(文・撮影:松尾まみ)